サンフランシスコ交響楽団のアジアツアー:台北その1
サンフランシスコ交響楽団のアジアツアー:台北その1
ティルソン・トーマスとサンフランシスコ交響楽団のアジアツアー2012。尖閣諸島の問題等があり、聴きに行くかどうか迷っていたのですが、アジアの聴衆の反応を見たかったので、結局聴きに行くことにしました。マカオ、香港の公演は成功裡だったようですが、3つめの訪問都市は台北。
東京公演のネタバレにならない範囲で、注目点や感想を記します。
2012年11月10日 台北国家音楽庁
【プログラム】
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番(ユジャ・ワン)
ラフマニノフ:交響曲第2番
- ラフマニノフは暗譜だった!
「何で来日公演のプログラムがラフマニノフ?」と多くの方が思っているのではないでしょうか。私も思っていました。しかし、ツアーの曲目にふさわしい仕上がりになっています。MTTは暗譜。微に入り細に入りやっているのはいつもの通りなのですが、えてして途中で飽きてしまうこの曲をあっという間に感じさせます。特に弦に注目。マラ9なみの集中力です。
- ユジャの衣装
過去マイクロ・ミニの舞台衣装で物議をかもし、ミニじゃなくなったと思ったら髪の毛がゼブラに染まっていたりしたユジャ・ワン。今回はミニでもゼブラでもないものの、別の意味でインパクトのある衣装。東京ではどんな衣装なのかわかりませんが、彼女の衣装は注目点のひとつです。
- ユジャとMTTの連弾
ユジャのプロコフィエフは彼女らしい演奏。アンコールはMTTとの連弾でした(MTTは自分で椅子を持って登場)。私は過去にブロンフマンとMTTが連弾したのを聴きましたが、そのときはいかんともしがたい本業ピアニストとの差を感じました。ところが今回、ユジャに負けず劣らず指がまわっている!毎回アンコールが連弾なのかはわかりませんが、これは聴きものです。
- ツアーのテーマはアジアとクラシック音楽の関係
今回のツアーでは、アジアがクラシック音楽に与えた影響もテーマの一つ(香港と上海公演には、これにフォーカスしたプログラムがあり)。台北公演のアンコールでは、お正月に演奏するという中国のフォーク・ソングをアレンジした曲を演奏していました。みんなが知っている曲のようで、旋律が始まると観客は反応していました。東京ではどうするのでしょうか?
ツアーはとてもサンフランシスコらしさにあふれた雰囲気。お客さんもよく入っていましたし、沸いていました。
CDの影響でMTT/SFSはマーラーというイメージが強く、サントリーホール公演しかチケットを買っていない方も多いと思いますが、もう一つのプログラムも非常に楽しめる内容です。
(2012.11.11)
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