サンフランシスコ交響楽団のアジアツアー:台北その2
サンフランシスコ交響楽団のアジアツアー:台北その2
ティルソン・トーマスとサンフランシスコ交響楽団のアジアツアー2012。台北公演の2日目。
東京公演のネタバレにならない範囲で、注目点や感想をアップしています。
2012年11月11日 台北国家音楽庁
【プログラム】
ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲(ユジャ・ワン)
マーラー:交響曲第5番
- マーラー
9月にサンフランシスコで演奏したときのKDFCの放送では、2、3、4楽章に聴きどころがたくさんあるように感じました。今日は3、4楽章にチャレンジがあって、他は普通。ホールの空間が大きかったので、音のまとまりや響きをつくるのが難しかったのかもしれません。ツアーの日程から見て、台北のマーラーでいい演奏が出ることはまずないだろうと予想していましたが、トーマスは全般的に低テンションに見えました。もっともこれはこれまで聴いてきた中で私が相対的に感じたことなので、曲の練り上げ度合いや、指揮者とオーケストラの共通理解が圧倒的な水準であることは論をまたないと思います。台北の聴衆も非常に熱狂的に反応していました。
彼らのマーラーについて、1、2、3、4、7番に関しては、やればほぼ確実に聴衆は絶賛評価だろうと思いますが、5番は最も評価が割れそうな作品。割れた方が盛り上がるとも言えますが、MTTがいろいろやる自然であると感じる範囲を超えたアゴーギクを面白いと思えるか、許容できないと感じるかが聴き手の評価の分れ目となることでしょう。
- ユジャ観察記
衣装は1日目と違うドレスでしたが、それと比べてインパクトがあるようなないような。ユジャ本人のセンスなのでしょうか?どういうポリシーなのか聞いてみたい(ニューヨーク・タイムズの取材では、今(若いとき)しか着られない衣装を着たいと答えていました)。彼女は演奏中の姿はまったく常識の範囲内なのですが、ステージに出てくるときと引っ込むときの歩く風情やおじぎの仕方などのマナーが他では見たこともない珍妙なもの。それも演出?
- アンコールはソロ
私は彼女の録音を聴いていないので録音と比較できないのですが、パガニーニは弾き込んである演奏でした。1日目のアンコールではMTTとの連弾を披露していましたが、本日は独奏。オペラの有名アリアをパラフレーズした作品(有名な旋律を変奏するという点でパガニーニと共通)。アンコールは毎回違う曲なのでしょうか?連弾かどうかは、トーマスの気分次第とか?
(2012.11.12)
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