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サーベイ好きな国アメリカの質問「コンサートに何が必要か?」

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サーベイ好きな国アメリカの質問「コンサートに何が必要か?」

私がアメリカのオーケストラをウォッチし出して4年ほどになりますが、その間オーケストラに関する顧客調査が行われるのに何度も遭遇してきました。

今度は全国規模でクラシック音楽に関する調査を行うとのことで、シンシナティ交響楽団より回答依頼。

たくさんの質問がありましたが、その中で私の目に止まったのは、

以下のどの要素があったら、あなたはオーケストラのコンサートにもっと頻繁に行こうという気になりますか?

というもの。選択肢に挙げられたのは、

プライベート・レセプションへの招待
有名な作曲家の知られていない作品を聴く機会
有名曲のプログラム
作曲の背景についてもっと知ること
ミュージシャンや指揮者に会える
もっとユーザー・フレンドリーなプログラム・ノート
自分の好きな時代の曲
大物ソリスト
ミュージシャンの音楽面のバックグラウンドを知る機会
他の来場者との社交の場
ステージでの作品についてのトークがないこと
ウェブサイトであらかじめ曲を聴ける
前もって曲について学べる
舞台上のビデオスクリーンやマルチメディア効果
もっとくだけた雰囲気
昼間のコンサートを増やす
落ち着いて音楽を感じることができる
指揮者やホストからの踏み込んだコメント
ステージからの曲についての短い説明
現代音楽の構造についての理解
複雑でチャレンジングな曲を聴く機会

私が面白いと思った理由は、ここに21も要素が並んでいますが、全部外形的な事柄であること。演奏の中身についてはふれていません。

サーベイでは、演奏レベルや魅力的な演奏かどうかというのは容易には変えられないから、演奏は今のままでという前提に立っての質問だったのかもしれません。

それでも、私は本質的にはオーケストラが人々を吸引できるかどうかを決めるのは、演奏の中身以外にはないと思います。

そういう点でサンフランシスコ交響楽団のキャッチフレーズが

Part Music. Part Magic.(音楽を分かち合おうという意味。“マジック”はMTT/SFSの音楽のこと)

であり、ニュー・ワールド交響楽団が

Come be inspired

と言っている方向性は正しい。

演奏面はさておき、今回のサーベイでも浮き彫りになりましたが、アメリカのオーケストラはどこも、ここで上がった要素について、どう取り入れ、そしてそれらの組み合わせのベストなバランスはどこにあるのか?それぞれが模索しながらがんばっている。

これが“アメリカの進む道”なのだと思います。

(2010.7.30)

Tag: 経営

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