学校で音楽以外を教える先生方への音楽の研修
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学校で音楽以外を教える先生方への音楽の研修
サンフランシスコ交響楽団のKEEPING SCOREプロジェクトの大きな柱は教育プログラムですが、その主眼は、
teaching through music
すなわち、国語や算数、社会などの主要教科の授業で音楽を素材に用いることで、より創造力を高めたり、思考の幅を広げられるのではないか?というチャレンジです。
このためには、先生方に音楽を用いた授業のカリキュラムを作ってもらい、授業で実践、その結果を検討・シェアして実績をつくり次のステップへ進むという繰り返しなのですが、サンフランシスコ交響楽団では2005年からこのプログラムに取り組んでいます。
その中でも毎年6月に開催している Keeping Score Summer Institute は、K-12(日本でいうところの小学校~高校にあたる)の先生方が参加して、音楽の可能性を体感して授業につなげるための研修会。今年で6回目にあたり、6/17-20に開催。
今年素材として取り上げるのはストラヴィンスキー。
期間中サンフランシスコ交響楽団のコンサートのプログラムが、ストラヴィンスキーの「春の祭典」であることとリンクした研修内容になっています。
サンフランシスコ音楽院やサンフランシスコ・バレエと連携して行っていることもポイント。
内容は、デイビスホールのリハーサル室で20世紀初頭のパリにタイムスリップしてしまおう体験、春の祭典のリズムを身体を使って体験するもの、バレエの振り付けを分解して見る、音楽の構造の基本についてのレクチャー、MTTのストラヴィンスキーとハルサイの話、針金ハンガーで楽器を作ってみるワークショップ、音楽を表現するボキャブラリーの研究等々。
音楽体験としては、サンフランシスコ音楽院での「兵士の物語」の公演とサンフランシスコ交響楽団の「春の祭典」、出演者へのQ&Aもあります。
研修は何人もの専門家、スタッフ、コーディネーター、既に授業に導入している先生らの手によって進められるのですが、彼らが何も道筋がないところから、「何かできないか?」知恵を絞って工夫している様は、自由で面白いなあと思います。
アメリカでは公教育は予算削減の嵐、先生方もレイオフ、というニュースを目にしますが、そんな中でもしぶとくがんばっているのもアメリカらしい。
研修の様子は、サンフランシスコ交響楽団のソーシャル・ネットワークで詳しく紹介されています →こちら (写真も豊富で興味深い。Next Postで先に進むと出てくる)
(2010.6.19)
Tag: 教育プログラム