プラハ公演1日目
プラハ公演1日目
プラハの春音楽祭、やって来ました。日本を出るときは、プラハの春でチェコ・フィルもわが祖国も聴かないなんて、さすがの私もちょっと変か?と思ったものの、ウィーン公演を経、それもすっとんでいます。音楽祭はとても華やかな雰囲気で、アール・ヌーヴォーの建物に似合っていて素敵です。
演奏会は、プラハのお客さんがウィーンよりも反応が良かったため、あれよあれよという間にボルテージが上がり、MTTはノリノリの絶好調状態に。
「妖精の口付け」の一曲目の最後の静かなところで、「えっ、こんな音あったっけ?」と思ったら、何と携帯電話の着信音。でも奇跡的に曲調にマッチした音だったのです。ティルソン・トーマスは、すかさず客席に振り向いてOKというようなジェスチャーをしていました。
3楽章の交響曲のリズム感は、もうこの人たちにしかできないクールさです。この曲は、ピアノが重要な役割を果たしますが、ピアニストは純粋クラシックの人ではなく、クロスオーバーな活動をしている方なのでしょうか?ロン毛を束ねた男性ピアニストだったのですが、センスがばっちり合っていました。
「冬の日の幻想」は、ティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団コンビの真骨頂だったと思います。ウィーン公演では、どこかやろうやろうとしているように感じられましたが、プラハでは音楽が自ら動きだしたという感じです。ティルソン・トーマスはオーケストラにすべて任せて、ポイントだけ押さえていく感じなのですが、オーケストラはすべてをわかっていて、一つになった音楽が加速しながら動いているように感じられました。
ウィーン公演の1日目よりも5割増しくらいの出来で、彼ら自身も会心の演奏だったのではないでしょうか。私の前でやってくれてありがとう。出かけていった甲斐がありました。
ティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団は、今コンビとして重ねてきたものの成果が花開いている状態だと思います。こんなに音楽監督がべったりはりついて自分たちのサウンドをつくり上げているオーケストラは、他にないのではないでしょうか。今聴くべきコンビだと切に思います。
*プラハでのコンサートのプログラムは、1・2日目(5/24・25)ともウィーンと同じ(アンコールも)
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