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ダラス交響楽団がトップオーケストラへ5ヵ年計画始動

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ダラス交響楽団がトップオーケストラへ5ヵ年計画始動

ダラス交響楽団の鼻息が荒い。

今後5年間でアメリカのトップオーケストラの一角に躍り出る計画がスタートしたそう。

何でも今シーズン、新しい音楽監督ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン効果で、景気後退の荒波をかぶる他のオーケストラをしり目に11百万ドルのチケットセールスを達成(全体の収入は25百万ドル)。観客の25%以上が初めて聴きに来た人だったそうです。

今秋には、新しいパフォーミング・アーツ・センターも完成予定で、益々追い風。

彼らが考える、トップオーケストラになるために押さえておかなければならないポイントとはどんなものか、見てみましょう。

ズヴェーデン

まず音楽監督ズヴェーデンが、どこまでオーケストラの顔として行けるか。

彼はいろんなところで期待の星ですね。私は彼については、エクストンのダイレクトカット2万円なりの「春の祭典」をいつもオーディオ聴かせていただいているおうちで聴いたのですが、「ふーん」で終わってしまったので、よくわかりません。

評論家の評

みんな誰が何と言うか注視しているからだそう。ただし、現在アメリカではクラシック音楽の評論家は絶滅危惧種(多くが新聞社に属しているから)。5年先にも存在するかどうかは不明。

委嘱作品の数

アメオケでは、1シーズンに委嘱作品をたくさん出せることが、力のあるオーケストラの証拠なのだそう(これにはお金がかかる。相場は小さい作品で2万5千ドル~5万ドル、規模の大きい作品だと10万ドル程度)。

新作の数に関しては、私の印象だと、今までサロネン&ロス・フィルがダントツに多かったように感じます(サロネンの曲があるからか?)。

ツアー

たくさんツアーのお声がかかることも重要らしい。とにかくライブを聴いてもらわないことには話が始まらない。ティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団コンビの日本における認知度を見れば明らか。

収入増など経営面

これに関しては、多様なプログラムによる聴衆開拓を挙げていました(ダラス的多様なプログラムとは、今シーズン成功したディスカバリー・チャンネルと提携した地球の映像に合わせて演奏するもの、ポップスや映画音楽のプログラムなどだそう)。

またオーケストラの経営は、オペラハウスよりも野球チームの経営に似ているとのことで、ズヴェーデンやオーケストラ・メンバーとお客さんが交流する企画、企業向けのグループ・セールスを強化することなどを挙げていました(どちらも今シーズン効果があったそう)。

ちなみに、グループ・セールスの話はこちらの本が面白い→

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以上、オーケストラが一番楽にプロモートできるのが、新音楽監督就任と新しいホールなわけですが、そうした追い風もうまく利用しながら、彼らの計画がどう進捗していくのか?

アメオケは、存在する都市がどんな産業で成り立っているかにも左右されますが、テキサスといえば、ブッシュ前大統領イコール石油と軍事産業(すごい固定観念)。というわけで、ダラスは恵まれた条件にあると言えそう。

今後が楽しみです。

ダラス・ビジネス・ジャーナルの記事

(2009.6.17)

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